海辺の小さな村に、いそきちという、とてもつりのうまい子がいた。
でも、いそきちには、なかのいい友だちが、ひとりもいなかった。
「おい、見ろよ、いそきちがいるぞ」
「あいつ、ぜんぜん、おれたちと、あそばないんだよな」
「いっつも、ひとりで海ばっか、行って」
でも、いそきちには、どうしてみんなにのけものにされるのか、わからなかった。