フランスで刊行されツバキのみを集めた図譜 ローレント・ベルレーズの
『ツバキ属図譜』(1841〜1843年)の続編として制作されたこの図譜には
624図にのぼるツバキが表わされ、そのほとんどが、中国および日本から
もたらされたもので、当時すでに八重咲きや、絞りなどの個体がフランスに
紹介されていたことを物語る。ヨーロッパにおいて冬期にミドリの葉を持ち、
早くに咲きはじめるツバキは大変珍しく、また貴重な植物としてもてはや
され、フランスにツバキブームが起こる。歌劇『椿姫』が制作されたのも、
このような背景があったためである。
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