ボタニカルアートとは、厳密に言えば、植物のひとつの種を、科学的かつ 精密に描いた図絵のことを言います。16世紀に木版による製版技術が確立 されて以降19世紀半ばかけ『美しい花の肖像画』は全盛期を迎えました。 ボタニカルアート史上で最も有名な植物画家は、フランスの宮廷で活躍した ピエール＝ジョセフ・ルドゥーテでしょう。ナポレオン妃ジョセフィーヌの庇護を受け、 世界中からフランスに持ち込まれた数多くの花を華麗に繊細に描き続けました。 このようにパトロンと植物学者、そして画家という絶妙な関係が生み出した芸術といえるでしょう。 リンネとエイレット、バンクスとパーキンソン、キュー王立植物園と女性画家たち。 技法的にも木版から17世紀の彫刻銅版画／エングレーヴィングに手彩色、 18世紀には石版画、19世紀に入り、ルドゥーテの繊細で淡い水彩表現を 点刻彫版技法／スティップル・エングレーヴィング技法で再現させました。 その美しさは王侯貴族や大商人たち、フランスの貴婦人たちを魅了しました。

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『本草図譜』 ４点	『アイヒシュテットの園』 １点	『花の園』 ２点
『珍奇薬草誌』 ２点	『植物選集図譜』 １点	『カーティス ボタニカル マガジン』 ６点
『ボタニカル レジスター』 １点	『英国産植物図譜』 ３点	『英国産植物図譜 ―リンネ式新編版』 １点
『薬用植物図譜』 ３点	『薬用植物誌』 ４点	『バラ図譜』 ７点
『ドイツ有毒植物大全』 ４点	『ヨーロッパの庭園の花』 ２点	『英国の野草』 ４点
『新ツバキ図譜』 ３点	『花譜』 ４点	『園芸家と 園芸愛好家のための バラ図譜』 １点
『温室と庭園の花々』 ７点	『バラ属』 ６点	『北方植物図譜』 １点

この展示は、いままでの作品に歴史上重要な植物図譜を加え、表現や技法 の変遷などボタニカルアートの全容と流れが感じとれる内容に充実させました。 花の名前や育て方・花の絵の描き方、など蔵書資料の充実とともに、 今後も図書館ギャラリーの美しい常設展示として育てて参りたいと思います。