『流れ星のサーカス』より

『流れ星のサーカス』より 12点


  扉絵:見世物小屋の呼び込み

  苦いレモン

  小さな女曲芸師

  ルイゾン夫人

  悲しげな痩せっぽち

  カルメンシータ夫人

  親代々の旅芸人

  苦い甘さ

  ピエロ

  アルチュール親方

  バレリーナたち

  オーギュスト

『流れ星のサーカス』

旅回りのサーカス一座の人々を描いた銅版画集。ルオー自身が執筆した文章に、挿絵として銅版画17点が添えられています。描かれているのは、客を呼び入れる芸人たち、大きな襟飾りのある派手な衣装に身を包んだピエロ、馬を乗り回す曲芸師などです。町から町へと旅する貧しい暮らしのなかで、親から受け継いだ芸に生きる人々。ルオーは、彼らの姿に人間本来の純粋さを見出して憧れます。

作品に添えられた詩には、こうしたルオーの思いがつぎのように表現されています。

「イル=ド=フランスのすべての道の上の/親代々の職を継ぐ人々よ/北から南へ、東から西へと順風を受けて進み/冬は日に向かって、春は緑野に/大洋に向かって静かに進む/平和で/喜ばしげな征服者たちよ/農夫が畑に結びついているように/絵の土地に結びついている孤独な私は/いつも君たちを羨ましく思った…」